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本日の読書
昨晩はサクヤさんが羅睺の力を発揮してましたね。
オリオン座の近くに見える紅い月を写そうとしたのですが、携帯のカメラでは無理でしたorz

話が変わりますが本日の読書。

『葛城と古代国家』 門脇禎二 講談社学術文庫

私が古事記で一番好きなエピソードは何かと問われれば、ツブラノオホミが何の縁の無いマヨワノミコを「幼い皇子を見捨てるのは忍びない」として護ろうとして、皇軍と戦い、潔い最期を迎える話だと答えますが、(日本書記だとあっさりとした描写ですが)葛城氏に関してそんなに詳しい訳じゃないんですよね。
いや、他の氏族に関してもそうですが(滝)

書店に行くと割りと物部氏に関連する書籍は多い気がしますが、物部氏よりも早い時点で歴史の表舞台から姿を消した葛城氏関連の書籍ってあまり無いですね。倭の五王関連の書籍では当然葛城氏について触れられていますが、どれも内容は似たり寄ったりの印象を受けます。

葛城氏の研究書でよく名前を聞くのは井上光貞氏の「帝紀から見た葛城氏」(『日本古代国家の研究』所収)あたりでしょうか? 内容的には古そうですが。
あとは平林章仁氏の『蘇我氏の実像と葛城氏』(白水社)あたりですかね。
何事でもそうですがネット評とか全く参考にしないので何が代表的な物なのか解かりませんが。

と、前置きが長くなりましたが、その内葛城氏の人物をモチーフにした小説を書きたい自分としては、もう一寸真面目に研究すべしと、門脇氏の書籍を購入しました。

水野裕氏をはじめとする河内王朝論や鳥越憲三郎氏の葛城王朝説に関する批判は興味深いものでしたが、(葛城王朝説を支持している学者は聞いた事がありませんが)、事の真偽を論ずる知識は私には無いのでそこはおいて置いて(苦笑)、アカイイトのファンサイトという性質上、やはり一言主に関する話が興味深いところかと。

雄略朝の一言主の神話に関して、葛城氏の領域に入れば天皇といえど地元の神に従わざるを得なかったという、これを直木孝次郎氏は大和国家と葛城氏による二頭政治であるという説に対して、この頃には既に葛城氏は大王家の首長層の一つになっていたと門脇氏は述べます。
二頭政治(というか有力豪族の領土においては豪族に従わなければならないという二重支配)に関しては吉備氏も絡めて考えみる必要がありそうです。

後の一言主信仰の変遷に関しては、和田翠氏の「葛城古道に鴨氏の神を追う」の一言主が役小角に呪縛された伝承を蘇我本家の滅亡に伴う一言主の衰退過程に形成されたという、この見方を支持されているようですが、本当に蘇我本家の滅亡に伴う出来事なら『続日本紀』にも載せていい様な気がしますが、何故『続日本紀』では役小角の事を讒言したのが韓国連広足であるのか、自分のような無学な者には解かりかねる部分があります。

鴨氏の出自である役小角は元々、一言主を封じたのではなく一言主を奉祭する立場にあったと考えるのが自然で、『日本霊異記』にみられるような後世の説話が仏教徒と葛城の神道勢力の対立を反映したとしたら、一言主の神話の変遷と蘇我氏の衰亡はあまり関係無いのでは……と思いますが。

話が違いますが、雄山閣の日本氏族研究叢書で『葛城氏の研究』が刊行予定になっていますが、『物部氏の研究』以外出版されないんですかね? 結構期待しているんですが物部氏の研究が4410円って高かかったので、同じぐらいだとしたら買うかどうかは微妙ですけどね。

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