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『古事記』敗者への優しい眼差し

本日東京MXテレビでやくみつる氏出演の「ナゾ解き古事記 ~神と人との1300年~」という番組が放送されました。
本館のアカイイトを理解するためのお勧めの書でご紹介させて頂いております『口語訳 古事記』の著者、立教大学教授の三浦佑之先生も出演しており、これはみなければイカンと思い視聴いたしました。

編纂1300年というわりには古事記を取り扱った番組は案外少ない……というか初めて見たような気がするので、(たまたま見ていなかっただけかもしれませんが)やってくれただけでも良かったなと思いましたが、偽書説など一般人が見たら濃そうな話からはじまり、出雲神話、少々突っ込みどころがあるヤマトタケルの話なんかが出てきました。確か文芸春秋の三浦氏の古事記の解説書に載っていた日本書紀との比較など図になっていて初心者にも解りやすかったかもしれません。
そして、出演が三浦先生と言う事で、やはり私が古事記で一番好きなエピソードをやってくれました。
ハイ、しかもなんとアニメ化です! 携帯画像で写りが悪くてスイマセン;;


mayowa.jpg←悲劇のショタ王子マヨワ。7歳にして父親の敵を討つが、その為追われる身に。










ohohatuse.jpg←悪役は背後だけ(笑)番組ではスルーされたけれど実は多大な功績を残した天皇。オホハツセ(雄略天皇)










karahime.jpg←ツブラノオホミの娘、カラヒメ。美人すぎる! 雄略が嫁にしたい気持ちがよく解ります;;










tubura.jpg←そして漢の中の漢。天皇家に比肩する大豪族葛城氏の長。ツブラノオホミ(葛城円)









人物関係を説明するのがとてもめんどくさいのですが、一応ご存じない方の為に説明すると、アナホ(第20代安康天皇)は家臣の讒言により叔父のオホクサカを殺し、オホクサカの妻、ナガタノオホイラツメを己の妃としました。
オホクサカとナガタノオホイラツメの息子のマヨワはアナホに引き取られますが、ある日、アナホが住む高殿の下で遊んでいると

アナホ「マヨワの親父をオレサマが殺したことを知ったらあのガキンチョは邪なことをかんがえるんじゃね?」

と母に喋っているのを聞き、アナホが父の敵であることを知ったマヨワ(7)はアナホが寝静まった頃、太刀でアナホを殺害し、そのままツブラノオホミ(葛城円)の家に逃げ込んでしまいました。

これを聞いてブチ切れたオホハツセこと、後の雄略天皇はまずはアナホの仇を獲ろうとしない優柔不断な兄貴二人をぶち殺し、軍勢を率いてマヨワが逃げ込んだツブラノオホミの家を攻め込みました。

オホハツセ「ワレェ? 俺様と契りを交わしたカラヒメは家にいるのか?」

ツブラノオホミ「カラヒメと五か所の屯倉は貴方に差し上げましょう。しかし、私はオホハツセ様にお仕えは出来ません。御子が臣の家にお隠れになるなど聞いたことが無いからです。賤しいわたくしが戦ったところでとてもオホハツセ様に勝てないことは承知しておりますが、わたくしを頼みにしてくださった御子を見棄てることなどできるわけがございません」

そして、ツブラノオホミはオホハツセ軍と戦い、ついに力尽き、マヨワにたずねる。

ツブラノオホミ「わたくしは手傷を負ってしまいました。もう戦う事も出来ません。如何にいたしましょうか」

マヨワ「こうなれば仕方がありません。私を殺してください」

そして、ツブラノオホミは御子を殺し、すぐさま己の首を切って自害しました。


なんでマヨワが血縁でもないツブラノオホミを頼ったのか説明が無いのですが、このツブラノオホミが率いる葛城氏というのは、神功~仁徳朝に仕えた葛城襲津彦の代あたりから後世の平氏と同じく、海外との交易で栄え、天皇家と血縁関係を結び、当時最大の豪族でした。

ところが、出る杭は打たれるのが世の常。ツブラノオホミの父、タマダノスクネはヲアサツマワクゴノスクネ(第19代允恭天皇)に殺され、さしもの葛城氏の勢いも削がれかけていた頃にマヨワという云わば厄介者が転がり込んできたのです。
カラヒメがオホハツセの婚約者ということもあり、マヨワを差し出してしまえば恐らく葛城氏はその後も安泰だったかもしれませんが、ところがツブラノオホミはマヨワを受け入れ、負ける事が解っていながら幼い御子の為に最期まで戦います。

ううっ……このエピソードは泣けてしまいます。恐らく日本書紀の方が正しいんじゃないかと三浦氏も何かの著書で言っていたと思いますが、個人的には古事記の美談を信じたいものです。

これが原因で葛城氏は以後大きく勢力を衰退しますが、この後に出てくる一言主のエピソードなどはまだ葛城氏の影響力がでかかったんじゃないかという説もありますが、その辺はめんどいので本館の一言主の考察でもご覧ください。

因みにオホハツセはこの時身内を殺しすぎて、25代武烈天皇の時に応神系の血筋が途絶えてしまい、26代継体天皇の時に王朝交代が起きたという説が唱えられることになります。
一応継体が応神の5世の孫で、上宮記の「凡牟都和希」を「ホムダワケ」に当てるのが通説だと思うのですが、むしろ「ホムツワケ」と読むのが自然な気がしますし、応神系は血筋が途絶えたと考えるべきでしょうね。(この時代の状況の中で大王になった継体天皇は偉大だったと思います)

アカイイト繋がりでいえば、本館をご覧いただいている方はご存じのとおり、この葛城氏が奉っていたのが尾花ちゃんこと一言主と言われています。
尾花がツブラノオホミに準えるなら葛様はマヨワに準えられそうかなと思ったこともありますが、流石にそれは強引ですか。

*追記
蒼海緋月本館の「アカイイトSS紅紡異伝鬼部伝説外伝ー神々と鬼の間」の第三之巻「盲目の皇子」~第六之巻「葛城之鎮魂歌」は上記の話がモチーフの小説となっています。
興味がある方はご覧ください。

 

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